• 空室対策のこと
  • 2023.07.14
    • 担当:人見
  • 空き家を倒壊させないために必要な管理方法とは

    全国で初めて京都で「空き家税」が導入されることになり、社会での注目もより高まっている「空き家」。空き家とは、空家法で「おおむね年間を通して居住やその他利用がされていない建築物(住宅に限らない)」と定義されています。空き家は1998年から2018年の20年間で、約2倍に増えており、今後もますます増加していくと予想されています。
    空き家は放置したままでいると、倒壊のリスクがあるものです。自分や家族が空き家を所有することになった場合、空き家を倒壊させないための管理方法を紹介します。

     

    空き家の倒壊の原因とは?

     

    なぜ空き家は倒壊のリスクがあるのでしょうか?

    空き家は放置したままでいると劣化が進んでしまいます。その原因としては、換気不足、ライフラインの劣化、雨漏りや害虫・害獣などが挙げられます。

    閉め切った空き家では、特に梅雨や夏の時期にカビや湿気が発生し、室内が劣化する原因につながります。給排水管、ガス管などのライフラインも長い期間使用していないと、ひび割れや破損が起こりやすい状態を引き起こします。

    家の雨漏りが起こった場合に、住人がいればすぐに対処できますが、もし空き家の場合は放置されて家の劣化がどんどん進んでしまいます。

    さらに、人の住まない家は、ホコリがたまり、害虫・害獣が発生しやすく、非常に不衛生な状態になりやすいといえるでしょう。

    また、劣化が極度に進んだ家は倒壊が起こりやすくなります。劣化がそのまま放置されると家の耐久度まで下げてしまい、倒壊の原因になってしまいます。 

    倒壊までいかなくても、万が一火災が起きたり犯罪に使用された場合、所有者の責任が問われます。空き家の倒壊などで近隣に被害が出たことで、損害賠償請求を受けた事例もあり、空き家を放置したままでいることは、大きなリスクがあるといえます。

     

    空き家を管理する方法

     

    では、空き家をどのように管理すればいいのでしょうか。以下にいくつかの方法を紹介します。

     

    定期的に換気・掃除する

    空き家を維持・管理するには、定期的に家のすべての窓を開けて換気をすることが最も重要です。特に高温多湿の季節に長期間家が締め切ったままになると、すぐに湿気がたまってしまうからです。湿気がたまると、カビの発生や木材の腐敗などの原因となってしまうため、定期的に換気を行い、屋内にこもっている湿気を外に逃がしましょう。

    換気の頻度としては、1カ月に1回以上が理想的といわれています。部屋の窓だけでなく、押入れ、物置などの収納の扉、浴室やトイレの扉なども開放しましょう。

    また、火災や害虫の原因にもなる家のホコリを掃除し、清潔にしておくことも大切です。

    室内だけでなく、庭の雑草も放置せずに手入れしましょう。草が生えていると虫が発生し、家の傷みにつながることがあるからです。

     

    点検やメンテナンスを行う

    破損があると家の劣化につながりますので、家の定期的な点検が重要です。家の周囲を一周しながらよく外観を細部まで観察し、外壁、雨どい、瓦などに破損している部分がないかよくチェックしましょう。

    雨どいや外壁に破損部分があると、台風や強風など自然災害の際に、破損部分が落下して迷惑をかける危険性があります。もし破損部分があればメンテナンスを早めに行い、劣化を防ぎましょう。

     

    防犯対策を行う

    防犯対策としては、施錠の強化、防犯カメラの設置、空き家に貴重品などを置いている場合にはセキュリティ会社との契約などが挙げられます。

    空き家の近所に挨拶しておいて、何かあれば知らせてもらえるようにしておくのも防犯対策の一つです。

     

    空き家管理会社に依頼する

    「空き家管理サービス」などといったサービス名で、空き家の管理を代行してくれる会社があります。空き家の換気、通水、簡易清掃、室内外の確認、草木のチェック、ポスト確認といった一連の管理を行ってくれます。費用の目安としては基本的な内容で月1回の管理が1万円程度で、さまざまなオプションを用意している会社もあります。

    遠方の空き家をどうすべきか悩んでいる場合など、ひとまずこういったサービスを利用するのも一つの案です。

     

    家を解体する

    家を解体すれば、倒壊のリスクはなくなります。築年数や立地などでも変わりますが、30坪前後の家を解体する場合は木造住宅なら100~150万円前後が相場だといわれます。鉄骨造、RC造であれば費用はさらに上がります。

    ただし、更地にすると固定資産税などの優遇措置がなくなることもありますので、注意が必要です。

     

    空き家を所有し続けるリスクについて

     

    空き家の管理が難しい場合で、管理の代行の費用もかけたくないという方は、空き家を手放す選択肢も考えてみましょう。

    空き家を管理せずに放置したままにすると、「特定空き家」にみなされてしまう場合があります。「特定空き家」とは、放置を続けた場合、倒壊など安全上の問題、異臭や害獣など衛生上有害な事態、周辺への景観上の悪影響などが懸念される家のことです。

    2015年に施行の空家等対策特別措置法に基づいた「特定空き家」には固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、最大1/6の軽減措置が適用されなくなってしまいます。また、50万円以下の罰金が科せられることもあります。

    空き家の管理に困ったら、売却なども考慮に入れつつ、不動産会社に相談して活用方法を相談してみるのもおすすめです。

     

    まとめ

     

    今回の記事では、空き家を倒壊させないための管理方法をいくつか紹介しました。
    定期的な換気や掃除が空き家管理の基本ですが、所有する空き家までの距離が離れていたりすると、管理が難しいこともありますので、不動産会社など専門家の意見も参考に対応を考えたいものです。

    空き家の対応にお困りのときは、相続専門のよろず屋不動産までお気軽にお問合せください。