• 不動産活用のこと
  • 2023.05.14
    • 担当:木村
  • 共有不動産の売却のポイントとは?

    共有不動産が単独名義の不動産と違う点は、所有権を持つ人が一人ではなく複数いることだけで、売却の手順は変わりません。

    共有不動産とは、単独でなく複数人で不動産を所有することです。

    もし所有している共同不動産を売却する場合は、名義人全員に同意を取る必要があることから複雑になる場合があります。

    この記事では、共有不動産の基本から、共有不動産売却時の注意点まで詳細を伝えていきます。共有不動産の売却を考えるときの参考にしてください。

     

    不動産における共有とは?

     

    共有不動産とは複数人で一つの不動産を所有するものです。一つの不動産を一定の割合で資金を出し合って購入した場合、共有不動産ということになります。ローンや控除などのメリットがあるため、夫婦や親子で共有名義の不動産を購入することも多いでしょう。

    共有不動産と混同しがちなものが、土地と建物で別名義になっている場合です。この場合、土地と建物は別の不動産になるため、共有不動産ではなく、土地と建物がそれぞれ単独名義の不動産になります。

    例えば、土地が父親名義で建物が息子名義の場合は、単独の所有になり、また分譲マンションなどの場合も区分所有となり、共有不動産とは別のものです。

     

    共有特分とは?

    共有不動産において共有者それぞれが持っている所有権の割合のことを共有特分といい、決め方は主に2つで、購入時に決定する場合と相続時の場合です。は負担額の割合、相続の場合は遺言や協議、法定相続分によって決めます。
    例えば、親が1000万円、子が2000万円を出して家を購入した場合、親が3分の1、子が3分の2の共有特分となります。

     

    共有不動産の2通りの売却方法とは?

     

    共有不動産は共有者がいるということを除けば、売却方法に大きな違いはありません。ただ、共有不動産の場合は、不動産全体の売却だけでなく、部分的な売却など共有不動産ならではの方法があります。2つの売却方法を紹介するので参考にしてください。

     

    共有不動産の全体を売却する

    共有不動産は、共有者の全員の同意があれば、共有不動産全体を単独名義の不動産と同様に売却できます。したがって、不動産を分割することに揉めることがない状態であれば、単独不動産と変わらないため、相場の価格で売却が可能になることが多いでしょう。

     

    共有不動産を一度に売却する場合一番のネックは、共有者全員の同意が必要である点です。共有者が円満な状況で、同じ売却という目標に向かっていれば問題はありませんが、一人でも反対する共有者がいる場合は売却できません。

     

    共有不動産を部分的に売却する

    単独不動産では独断で判断できることも、共有不動産となると共有者が全員同じ考えとは限らず、共有者が増えればさらに複雑化します。したがって、売却したい人がいる一方で反対の人がいる可能性もあります。どうしても売却の必要がある場合は、自分の共有特分について以下のような2つの方法で売却が可能なので、具体的にみていきましょう。

     

    自分の持分のみを売る

    一つ目の方法として活用できるのが、他の共有者、および不動産業者へ自分の所有している特分を売却する方法です。共有者と円滑な関係であり、共有者にとってもメリットが大きければ買取に応じてくれる可能性が高いでしょう。例えば、共有者がその不動産に住み続けたいなどの理由がある場合は交渉してみる価値がありそうです。

    また、共有特分のみであれば他の共有者の同意が要らない上に、知られることもなく売却が可能です。現金化を急ぐ場合や、他の共有者と話し合いが困難な場合は有効な手段と言えるでしょう。ただし、共有特分のみの売却となるとほとんどの場合が相場より低価格になってしまいます。

     

    分割して単独名義にして売る

    次に挙げる方法は不動産が土地の場合ですが、自身の共有特分のみを分筆することで自由な売却が可能になることがあります。ただし、不動産が土地であることが条件のため、建物の場合は分筆ができず、さらに土地によっては分筆に制限がかかることもあります。分筆を考える場合は、土地の価値が下がる可能性もあるので、専門家に相談することをおすすめします。

     

    共有不動産売却の主な流れ

     

    共有不動産であっても単独不動産であっても不動産の売却の流れはほぼ同じです。ただし、共有不動産の場合は独断で決定できないため、各段階で共有者の同意や確認が必要です。

    以下に共有不動産を売却する場合の主な流れを紹介します。

     

    名義人の確認

    共有不動産の場合に必要となるのが、名義人の確認です。特に相続の場合は、共有特分も含めて確認しておく必要があります。さらに共有不動産を全部売却する場合は、必ず共有人全員の同意が必要なので後回しにせず確認しておきましょう。

     

    売買の準備

    共有不動産の売却をするなら、まずはまとめ役を決めましょう。話し合いをまとめたり、業者との窓口になったりする人が多いと意見がまとまらないので、まとめ役をおく方がスムーズに話が進むでしょう。また、不動産の価値や相場をしっかり調査することも大事です。

     

    諸費用を確認し負担者を決める

    不動産売却のための諸費用や税金について調べた上で、共有者全員と情報を確認し、費用の分担をします。支払いが発生することは後々トラブルになる可能性があるため、費用の確認と分は事前に決めておきましょう。主な諸費用は以下の通りです。

    ・登記費用

    ・抵当権抹消費用

    ・譲渡所得税

    ・印紙税

    ・仲介手数料

     

    希望売り出し価格と最低売却価格を決める

    近隣地区の相場をしっかり調べた上で、希望売り出し価格を設定しましょう。ここは単独名義での不動産売却と変わらない手続きが行われ、希望が通ることもあれば、希望価格に届かない交渉になることもあります。そこで大切なのが、売却最低価格を決めておくことです。売却に関して最低ラインを決めるためにも、1社のみで査定してもらうのではなく複数の不動産で査定してもらい共有者全員で希望価格と最低価格を決めておきましょう。

     

    売却活動を設定しておこう

    売却活動に移る際に決めておきたいのが、不動産をいつまでに売るかという売却期間です。共有不動産の場合、複数の共有者全員が同じ方向で動いているわけではなく、それぞれに事情もあります。そのため時間がかかりすぎると、状況が変わってしまうことや、場合によっては同意が取れなくなってしまう可能性も視野に入れる必要があるでしょう。

     

    売却が頓挫してしまわないためにも、はじめに売却期間を設定しておくことは非常に大切です。共有不動産の場合、確認作業などに時間がかかる可能性もあるため、通常の不動産売却よりさらに時間がかかることも予想されます。あらかじめ、期間を決め、その期間を過ぎた場合についても共有者同士の事前の取り決めがあった方がスムーズでしょう。

     

    確定申告を忘れずに

    共有不動産が売却されるとそれだけで安心してしまいがちですが、忘れてはならないのが、確定申告です。不動産売却で得た売却益は共有特分でも同じく所得になるため、共有者はそれぞれ個別に確定申告が必要です。また、売却益が出ず、損益を出した場合は、確定申告をすることで控除が受けられることがあるので確認しましょう。

     

    共有不動産を売却する際の注意点とは

     

    共有不動産売却時、特に注意すべき点について補足します。

     

    所有権の割合を確認する

    共有不動産は全て均等に特分があるというわけではありません。それぞれの共有者の共有特分、つまり複数の所有者それぞれが持つ権利の割合をしっかり確認しておきましょう。

     

    売買契約書は正確に

    複数の共有者がいる共有不動産の売買では、売却益の配分など細かいところまで内容を詰めておくことが大切です。契約書を作成する側も受け取る側も、専門家の力を借りて詳細をしっかり吟味しておく必要があるでしょう。

    後でトラブルにならないよう、先に専門家へ相談するなどの対策を立てておくことも大切です。

     

    まとめ

     

    共有不動産は権利が分散されていつので、売却するときに困難な場合もあります。もし売却を考える過程で相談事や悩み事が出てきたら、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。よろず屋不動産は、相続不動産を得意とする不動産の問題解決のプロフェッショナルです。共有不動産のお困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。