- COLUMN
不動産活用コラム
- 不動産活用のこと
- 2023.10.30
2020年の厚生労働省のデータによると、日本国内の婚姻数は約52万5000組に対し、離婚の数は約19万3000組となっています。
もし離婚することになった場合は、財産の分割について話し合わなければなりません。
その際、不動産の売却は、「財産分与」のルールを元に行われます。
今回は、離婚時の財産分与、家の売却についてのポイントを解説します。
どんな財産が財産分与の対象?
財産分与とは、離婚をした夫婦の片方が、もう片方に対し、財産の分与を請求できる制度です。
具体的には、家、現金、預貯金、有価証券、保険、車などです。
共有の資産であれば、不動産や動産などさまざまな財産が財産分与の対象ですが、婚姻前から片方が所有していた資産や、婚姻後であっても相続によって得た資産は、財産分与の対象外です。
注意が必要なのは、どの時点までの資産が財産分与の対象とされるかという点です。財産分与は離婚によって発生しますが、法的に離婚手続きを開始する前に、離婚を見越した別居状態に入ることがあります。この場合、通常は別居が始まるまでに生じた資産だけが財産分与の対象とされます。
家を分割する場合の具体的な方法とは?
離婚の際、家などの不動産を分割する場合には、どのような方法があるのでしょうか。
不動産を売却して、現金で分割
この方法は、夫婦が共同で所有している不動産を売却し、得られた売却代金を公平な割合で分割する方法です。売却後に得られた現金を、夫婦の間で分割します。
片方がそのまま住み続けて、片方に現金を支払う
この方法は、一方の配偶者が家に住み続け、もう一方の配偶者に一括または分割などで現金を支払う方法です。生活スタイルの維持が必要な場合に、住まいを確保するための一つの方法です。
ただし、妻が不動産を引き継いで、その住宅ローンを夫が支払う、という場合にはリスクが伴いますのでご注意ください。ローン支払いに対して、口約束ではなく「公正証書」を作成しておくことも大事です。
離婚時の家の売却の主な流れとは?
離婚時に所有している家を売却する場合、以下の手順が考えられます。
合意の確認
夫婦が家の売却に同意し、売却時の収益分配についても合意を得ておくことが重要です。
不動産の査定
不動産の価値を専門家による査定で確認します。これによって公正な価格を設定できます。
売却手続き
不動産業者を通じて家を売却、不動産会社が売却活動を行います。売却代金が得られた場合、ローンの残高がある場合は残債を返済します。
収益の分配
売却代金から不動産の手数料や残債の返済を差し引いた後、残った金額を離婚時の財産分与に従って分配します。
名義変更
購入者が家の新しい所有者となるために必要な名義変更手続きなどを行います。
財産分与に関する不動産売却は、個々の状況によって進め方が異なる場合もありますので、早めに不動産会社などの専門家にアドバイスを受けると安心です。
家の主な売却方法「仲介」と「買取」どちらがいい?
家を売却する際に選択される「仲介」という手法が一般的です。これは、不動産会社に依頼して買主を見つけてもらう方法です。売主は、不動産会社がインターネットや店頭の広告などを通じて買主を見つけるのを待つ形です。自身の希望価格に基づいて不動産売却を進めることができますが、売れない場合には価格の見直しが必要です。
また、売却が成立した際には、不動産会社に仲介手数料が発生します。売主が買主を見つけるのに時間がかかる場合もあり、売却までに通常3カ月~半年程度の期間が必要です。やや時間的な余裕がある方に適しています。
もう一つの方法が「買取」です。この方法は、売却に時間的な制約がある方や早急に家を売りたい方に向いています。不動産会社が直接家を買い取る手法です。仲介と比べて売却価格は低くなる傾向がありますが、スピーディーな売却が可能です。この方法を選ぶと、買主を待つ時間を気にする必要がなくなりますが、売却価格は通常の市場価格よりも下がる傾向にあります。
財産分与の請求期間は2年以内
財産分与を請求するためには、離婚判決が確定した後、原則として2年以内に請求を行う必要があります。この期間を過ぎると、財産分与の請求が難しくなる場合があります。離婚後の経済的損失を防ぐために、期限を意識して行動することが重要です。
不動産名義と住宅ローン名義が異なる場合に注意
離婚時に不動産が共有財産として分割対象となる場合、その不動産の名義と住宅ローンの名義が一致していない可能性があります。例えば、一方の配偶者が不動産の名義を持ち、もう一方の配偶者が住宅ローンの名義を持っている場合、どちらがローンの返済を担当するのか、どのように財産を分割するかを検討する必要があります。
マイナスの財産も分与の対象になる
離婚の財産分与の際、負債や債務も分割の対象です。つまり、マイナスの財産(債務超過)も財産分与に影響を与える可能性があるので注意しましょう。離婚時には資産だけでなく債務もきちんと把握し、公平な分割を検討する必要があります。
まとめ
今回は、離婚の際の不動産などの財産分与についてのポイントについて説明してきました。
もし離婚の際は、できるだけ迅速に財産分与を行っていく必要があります。特に売却をお考えのケースの場合は、2年という請求期間もあるため、不動産会社など専門家に相談がおすすめです。
よろず屋不動産は財産分与に関しても数多くの不動産取引の実績がございます。不動産についての疑問やお悩みについては、よろず屋不動産までお気軽にお問い合わせください。