• 空室対策のこと
  • 2024.09.26
空き家での洪水リスクとその対策

 

局地的な大雨が増えている昨今、所有の空き家がもし豪雨で洪水に遭ったときのリスクについて考えたことはありますか。

日頃から空き家のメンテナンスをしておけば、洪水による浸水リスクを減らせるかもしれません。

今回は空き家の洪水リスクと対策など、知っておきたいことを解説していきます。

 

大雨による洪水のリスクは実際に増えている

日頃、テレビの報道を見ていると、局地的豪雨が増えているイメージがありますが、実際にそうなのでしょうか。

1980年頃と最近のデータを比較すると、大雨の年間発生回数は増加しており、より強い雨ほど増加率が大きくなっています。気象庁によれば、1時間降水量80mm以上、3時間降水量150mm以上、日降水量300mm以上など強度の強い雨は、1980年頃と比較して、おおむね2倍程度に頻度が増加しています。

これらの変化には地球温暖化が影響している可能性があり、今後さらに大雨は増えていくかもしれません。

また、全国で空き家の増加が問題になっている今、豪雨が空き家に水害を及ぼすケースも増えています。

例えば、2023年7月には秋田県内であった豪雨災害で空き家が浸水し問題になった事例があります。調査によれば、記録的な大雨で最上川が氾濫した戸沢村では、浸水した住宅およそ300戸のうち、20戸が空き家とみられたそうです。

 

空き家の洪水、水害のさまざまなリスクとは

以下で、空き家の水害に関するさまざまなリスクについて解説します。

空き家は浸水リスクが高い

空き家は、日常的な管理や点検が行われていないことが多く、一般の住宅に比べて浸水リスクが高くなってしまいます。

長期間使用されていない排水溝や雨どいは、落ち葉や土砂などで詰まりやすく、排水設備機能が低下しがちです。排水がスムーズでないと、雨漏りなどの浸水にもつながります。また、屋根や外壁の経年劣化により防水性能が低下し、雨水の侵入を許しやすくなっている傾向があります。

水害により家が損傷するリスク

空き家は経年劣化によって洪水時に深刻な損傷を受けるリスクがあります。

長期間の放置により、建物の基礎が弱くなっている可能性があり、洪水時の水流で浸食されやすくなっているといえます。湿気により弱くなった家の壁材が、浸水によって崩壊する危険性もあります。

また、室内に残された家具や家電などの家財道具が水に浸かり、流出することで周辺地域に二次被害をもたらす可能性があります。

浸水後のカビなどのリスク

洪水後の空き家は、さまざまな衛生上の問題を引き起こす温床となります。

主なリスクとして、十分な換気や乾燥が行われないため、壁や床にカビが繁殖しやすくなります。腐敗した家財道具や浸水した建材は時間が経つと悪臭を発生させたり、湿気の多い環境は害虫や害獣の格好の棲み処となってしまったり、周辺環境を悪化させるリスクが高くなります。

 

浸水してしまった家は売れない?

実際に浸水した不動産でも、売却できないわけではありません。ただ、水害に遭った家を売却する場合は、浸水した家であることを告知する義務があります。

床下浸水と床上浸水の違い

国土交通省は、戸建て住宅の場合の浸水について、「床下浸水」は宅地基礎から50cmまでを、「床上浸水」は50cmより上が水に浸かる状態と定義しています。

床上浸水の被害を受けた場合、床や壁の張り替えが必要になったり、電化製品の浸水、災害ゴミの発生したりなど大きな被害が生じます。床上浸水の被害に遭ってから空き家を売却しようとすると、家財道具やゴミの処分、家屋内の消毒など売却するまでに非常に手間がかかってしまいます。

床下浸水であっても、そのまま放置すると住宅の基礎部分が大きなダメージを負うこともあるため、室内を乾燥させて建物の劣化や害虫の発生を食い止めなくてはならず、十分に注意が必要です。

地盤調査やホームインスペクションが必要

大雨などで浸水した土地の地盤は、軟弱になってしまう可能性があるため、地盤調査を受けたり、建物の堅牢度を調べるホームインスペクションを受けたりする必要が出てきます。建物の基礎、外壁など、建物の構造上の主要な部分の劣化状況について、建築士や

住宅診断士などの建物の専門家に調査してもらい、不動産の安全性を証明するためです。

このように、万が一空き家が水害に遭った場合の対応はかなり煩雑で、費用もかかることが予想されます。

 

空き家が水害に遭わないための対策

空き家が水害に遭わないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。以下に主な対策を紹介します。

浸水しやすい土地かどうかを確認しておく

各自治体が発行する災害発生時の情報を記載したハザードマップで「浸水想定区域」を調べると、浸水しやすい土地かどうかを確認できます。

浸水想定区域とは、水災発生時に浸水が想定される危険地帯のことです。浸水しやすい土地に空き家を所有している場合は、より強固な対策を考えた方がいいでしょう。

定期的な点検と管理

最も重要な対策は、空き家の定期的なメンテナンスです。

定期的に雨どいや排水溝の清掃を行い、スムーズな排水を確保するほか、空き家周辺の草刈りや家周辺の不要物などを取り除き、建物外周も整備しておくようにします。

防水機能を維持

屋根や外壁は、経年劣化が進むと、雨漏りや浸水がしやすくなります。定期的な点検や修理を行わず放置したままでいると、洪水の際のリスクが非常に高くなります。

劣化した屋根材や外壁を適宜補修し、必要があれば屋根や外壁などに防水工事を施すなど、家の防水性能をきちんと維持しておくことが大事です。

家財道具、重要品などの整理

空き家内の不要な家財道具や重要品を撤去したり、防水性の高い容器に入れて保管するようにしたり、流出のリスクを減らしましょう。家具流失による周囲への二次被害を防ぐためにも重要です。

 

まとめ

今回は空き家の洪水リスクと対策について解説しました。

大雨による水害が増えている昨今、空き家を放置するリスクが高くなっていることがお分かりいただけたかと思います。空き家を所有する場合は、空き家が災害に遭うリスクも踏まえて、管理の仕方や今後の方針を考えておきたいものです。

よろず屋不動産は、空き家の活用において豊富な実績を持つ相続不動産のプロフェッショナルとして数多くの問題を解決してきました。
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