- COLUMN
不動産活用コラム
- 不動産活用のこと
- 2024.11.08
警察庁の統計によると、2022年まで減少していた侵入強盗の認知状況は、20223年に1.4倍に増加しました。闇バイトによる緊縛強盗なども含め、近年、強盗事件の発生件数が増加傾向にある中、住宅の防犯対策の重要性が改めて注目されています。今回は、住まいの具体的な強盗対策について、5つの重要なポイントに分けて解説します。
玄関周りの防犯設備を強化する
住宅への侵入経路として最も多いのが玄関口です。玄関ドアを狙われた場合、開錠に時間がかかるほど、空き巣対策になることを心得て対策しましょう。
まず重要となるのが、二重ロックシステムの導入です。一般的な鍵に加えて、デジタルロックや指紋認証システムなどの先進的なセキュリティ機能を備えた錠前を設置することで、物理的な破壊行為に対して対策ができます。近年普及してきたスマートフォンと連携したスマートロックであれば、出先からでも施錠の確認や遠隔操作が可能になるので、常に施錠状態を確認したい場合は検討するとよいでしょう。
玄関ドア周りの配慮も必要です。従来のドアから、より強固なスチール製などの防犯ドアも検討する価値があります。防犯ドアは、こじ開けや破壊行為に対する高い耐性を持っています。また、ドアガードやドアチェーンの増設も効果的です。特に、配達員や販売員を装った侵入者への対策として、ドアスコープやカメラ付きインターホンの設置も推奨されます。
さらに、玄関周りに人感センサー付きライトを設置することで、不審者の接近を事前に察知し、抑止効果を高めることができます。夜間の照明は防犯対策の基本といえます。省エネルギーと長寿命の両方を兼ね備えているLED照明を活用しましょう。
窓やベランダの防犯強化
玄関に次いで侵入されやすい場所が窓とベランダです。窓とべランダは侵入経路の半分以上といわれています。
最もリスクの高い窓は掃き出し窓といわれます。1階の窓には防犯フィルムを貼り付け、ガラスが割られても簡単には侵入できない対策が効果的です。防犯フィルムは、飛散防止効果もあるので、地震対策としても有効です。また、二重窓や強化ガラスの採用も検討に値します。
補助錠や鍵付きクレセントの設置も効果的です。特に、サッシ窓の場合、クレセントだけでは簡単に開けられてしまう可能性があります。補助錠を追加することで、より確実な防犯効果が期待できます。また、窓の外側に設置する防犯格子も有効な対策の一つです。デザイン性の高い製品も増えており、住宅の外観を損なうことなく、セキュリティを高めることができます。
低層階のリスクが高いベランダについては、面格子や防犯柵の設置が推奨されます。植栽や物置など、侵入の足場となりやすい箇所がある場合は、それらの配置にも十分な注意を払う必要があります。ベランダに置かれた家具なども、侵入者の足場として利用される可能性があるため、配置には慎重を期す必要があります。センサーライトなどと組み合わせることで、より高い防犯効果を期待できます。
防犯カメラやモニタリングシステムの活用
現代の防犯対策において、防犯カメラの設置は必須と言えます。例えば、玄関、庭、駐車場など、住宅の外周部に設置することで、不審者の動きを24時間監視することが可能です。カメラの選定においては、夜間撮影機能や防水性能、画質の良さなどが重要なポイントとなります。また、死角をなくすための適切な配置計画も欠かせません。
スマートフォンと連携したモニタリングシステムを導入することで、所有する家に居住していない場合や、外出先からでもリアルタイムで自宅の様子を監視できます。最新のシステムでは、不審な動きを検知すると自動で通知を送信する機能や、双方向通話機能を備えているものもあります。これにより、留守中でも即座に状況を把握し、必要に応じて警察への通報や警備会社への連絡を行うことができます。
録画機能付きの防犯カメラであれば、万が一の事態が発生した際の証拠としても活用できます。保存された映像は、警察の捜査にも役立ち、犯人の特定や逮捕につながる重要な手がかりとなります。最新のAI搭載型防犯カメラでは、不審な行動を自動で検知し、即座にアラートを発することも可能になっています。
近所、地域コミュニティとの連携
物理的な防犯設備の整備に加えて、地域コミュニティとの連携も重要な防犯対策の一つです。日頃からご近所付き合いを大切にし、不審者を見かけた際には声掛けや情報共有を行うことも抑止力につながるでしょう。もし普段居住していない場合でも、訪問したときは近隣挨拶などをしておくと、いざというときに安心といえます。
最近では、SNSを活用した地域防犯ネットワークも普及しており、リアルタイムでの情報共有が可能になってきました。不審者情報や犯罪発生情報を即座に共有することで、被害の拡大を防ぐことができます。また、警察や自治体が運営する防犯メール配信サービスに登録しておくと、防犯情報をメール宛に知らせてもらえます。
普段の生活でも防犯意識を
最後に重要なのが、日常生活における防犯意識の向上です。外出時、不在時には必ず全ての窓や扉の施錠を確認し、長期不在時には郵便物の配達を一時停止するなど、留守であることが外部から分からないような工夫が必要です。また、昨今ではSNSでの投稿には注意が必要で、旅行中や不在であることを安易に公開することは避けるべきです。
また、貴重品は金庫での保管を検討し、留守にする場合には高価な品物の管理に注意することも重要でしょう。
まとめ
防犯対策には一定のコストがかかりますが、家族の安全と財産を守るための投資として考えれば、決して高額なものではありません。併せて盗難保険加入などのバックアップ対策も検討すれば、より安心できるでしょう。
最近は、日頃暮らしていない住居でも遠隔で対応できる防犯対策の方法も増えてきています。自身の住まいの現状を見直し、必要な対策を検討することをおすすめします。
よろず屋不動産は、相続不動産の活用において豊富な実績を持つ不動産のプロフェッショナルとして、不動産に関する数多くのお悩みを解決してきました。所有するお住まいの防犯対策にお悩みのときは、ぜひお気軽にご相談ください。